うっ血の原因は”大渋滞” 静脈瘤は2本足歩行の宿命

痔は英語で「ヘモロイド」といいますが、この言葉はギリシャ語の「ヘモロエ(ヘモ=血、ロエ=流れ)からきています。ご存じのように、人間の血液は心臓をスタート地点として、大動脈から体の各部の動脈へと流れていき、毛細血管を折り返し地点として静脈に移り、大動脈を経て再びスタート地点である心臓に戻ってきます。こうした一連の仕組みを、前半は下り坂が続き、後半は一転上り坂となるクロスカントリーのコースに例えて説明してみましょう。

ランナー(血液)は、中間地点である手足の先と肛門までは、スピードに乗って快適な走行を続けます。しかし、ここからが問題で、2本足で歩行する人間の場合、肛門は心臓より低い位置にあるため、快走を続けた前半とはうって変わって、上り坂の後半は一気にペースダウンしてしまいます。そこで、先頭の選手がもたついている間に、後続の選手がどんどん追いついてしまいます。ところが、2位以下の選手たちも、先頭の選手を追い抜くだけのパワーは残っていません。こうして、コースは大渋滞となってしまうのです。これが、うっ血の正体であり、痔核の本体である静脈瘤(りゅう)の原因と推測できます。

もちろん、手先や足先も心臓より低い位置にありますが、全体の面積が広くかつ皮膚自体も丈夫なため問題はありません。また、足の静脈には逆流防止弁が付いており、うっ血しにくい構造になっているため、痔のような”はれもの”ができたりしないのです。

4つ足動物の場合は、心臓と肛門はほぼ水平で、折り返し地点である肛門も含めて平坦な”コース設定”のため、血液の流れは渋滞なくスムーズであり、痔もできないというわけです。


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