痔を悪化させる下痢 常にうっ血状態、痔瘻の原因に

前回、便秘は”痔(じ)の大敵”と、説明しました。そこで、「下痢ならば、肛門(こうもん)に力が加わらなくてちょうどいいのでは」と、考える人もいるのではないでしょうか。しかし、これは間違いです。

下痢になると。肛門の括約筋がいつも緊張している状態のうえ、何度もトイレに行かなくてはなりません。こうして排便姿勢をとるたびに肛門はうっ血します。つまり、うっ血が治まる暇がないのです。さらに、下痢は肛門のくぼみにカスを残し、痔瘻(ろう)の原因にもなります。実際、痔を悪化させてしまった人は、便秘よりも下痢が原因である方が多いという報告もあるほどです。

下痢は、小腸で吸収されるはずの水分が十分に吸収されずに大腸へ送られ、過剰な水分を含んだ便が排出されることをいいます。下痢の症状は、急性と慢性に大別されます。急性の下痢はまず、細菌やウイルスなどの感染による場合があります。赤痢や食中毒などで、発熱や激しい嘔吐(おうと)などを伴うことが多く、早い段階での手当てが必要です。こうした感染以外でも、飲みすぎ、食べすぎ、特定の食品に対するアレルギー反応のほか、ストレスや疲労で起こるケースも少なくありません。

一方、慢性の下痢に悩んでいる人の半数は、ストレスや神経的な疲労が原因。残りの半数は、腸、すい臓、胆のうなどに何らかの病気があることが考えられます。こうした慢性の下痢は、1日の排便回数は比較的少なく、急性のように激しい下痢は見られないのが普通です。

下痢が続くようなら、整腸剤に頼る前に、病院で医師の診察を受けるべきでしょう。下痢の原因をつきとめることが、痔の悪化を防ぐ大事な一歩になります。


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