痔核・裂肛・痔瘻の基本知識

痔(じ)は、2本足で立つ人間にとって宿命的な病気で、日本人の3人に1人が、痔の悩みを抱える”痔主(じぬし)”といわれています。

一般に、4本足の動物は肛門(こうもん)と心臓の高さがほぼ一緒なので、心臓から肛門へと送られてきた血液は、再び心臓へとスムーズに戻ります。ところが、人間の場合は、肛門が心臓より下にあるため、肛門周辺の血液が重力に逆らって上へ戻りにくくうっ血しやすいわけです。いわば、いつ爆発してもおかしくない”火薬庫”を抱えているようなものなのです。

痔を引き起こす主な原因となるのが、便秘や下痢、排便習慣のみだれなどで、排便時のいきみや妊娠でも、おしりはかなりいじめられています。

痔は、症状の違いなどによって、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔・裂け痔)、痔瘻(あな痔)の3種類に大別されます。

まず、痔主の6、7割を占めているのが痔核。排便時にピューッと鮮血が流れ出て、痛みがなければ内痔核で、肛門管の奥にいぼができている状態です。さらに症状が進むと、いぼが肛門の外に飛び出してしまう脱肛になります。また、痛みを伴う場合は、肛門の入口付近に血まめのようないぼができる外痔核です。

一方、女性に多いのが裂肛。排便時に肛門が裂けて起こり、トイレットペーパーに血が付き、その後も痛みが続きます。

肛門付近がはれたり、膿(のう)が出るといった症状なら、痔ろうの可能性があります。体内にある膿の管が、肛門管の外まで伸びる病気で、膿が出て熱が上がり、耐え難い痛みを伴います。出血は少ないので、患者さんの中には、風邪と勘違いして診療に訪れる人もいます。痔ろうは男性に多いのが特徴です。


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