高齢の女性に多い直腸脱 肛門括約筋緩み直腸壁がめくれる

直腸脱は、70歳以上の女性に多くみられる病気です。肛門(こうもん)から何か出るという点で、脱肛(こう)と間違えられがちですが、発生の仕方や治療法もまったく異なります。

ちなみに、脱肛は排便時に肛門管の奥にできた内痔(じ)核と一緒に、健康な皮膚が肛門の外に出てしまうために起こるもので、肛門が裏返しになった状態です。

一方、直腸脱は、直腸壁がめくれて肛門の外に脱出してしまう病気です。老化などによって肛門括約(かつやく)筋や、直腸を骨盤内につり上げ支えている組織が緩んでしまうのが原因で起こります。

直腸脱の場合、直腸の出方は2~20センチとさまざま。初期のうちなら、食べ物に気をつけて便を軟らかくし、トイレで強くいきんだり、長い間しゃがみこんで肛門に力の入る姿勢を避けるなど、生活習慣を改めることで、治すことができます。飛び出してしまった直腸は、あおむけに寝て両足を体に引きつけ、おしりを高くして深呼吸すれば、自然に元へ戻っていきます。この方法で戻らない場合は、脱出した直腸にワセリンなどを塗り、ガーゼなどを使用して手で静かに押し戻します。それでも元に戻らず、脱出した状態のままで、生活にも支障をきたすような場合は、手術で治します。

現在、もっとも患者の負担が少なく効果的な手術法は、脱出する直腸粘膜に針糸をかけて小さなコップをたくさんつくり、たるんだ直腸を縫い縮める方法です。さらに、肛門の周りにナイロン糸を入れて肛門を狭くし、括約筋の緩みを防ぎます。

この方法なら、短時間の簡単な手術で安全・確実に症状の改善を図ることができます。

備考:現在、くにもと病院では直腸脱の手術にジオン注を用いた低侵襲性の手術を行なっております。


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