においが気になる肛門神経症 実際は清潔な場合多く心理的なもの

患者様の中には「肛門のにおいが気になって」と訴える人もいます。しかし、こうした人に限って、肛門周囲は清潔で、さほどにおいを発してはいません。  そこで「あなた自身がにおいを感じるのですか」と聞くと、「いや、自分では感じませんが、周りの人が私の方を見て笑ったり、鼻をつまんだりするのですから間違いありません」といった答えが返ってきます。

こうした人の場合は「においが気になって職場や学校へ行けない。電車にも乗れない」というケースがほとんどです。

これは対人恐怖症の一種で「肛門神経症」といわれる病気の症状です。肛門神経症の患者様の9割近くは10代~20代前半。体形はやせ形、性格はきちょうめんな完ぺき主義者で、しかも無口で内向的な人がこの病気に陥りやすいといえます。

思春期になって汗腺(かんせん)の活動が活発になると、だれしも自分の体臭に気づき始めます。ところが、この体臭を「いまいましい」とか「他人に知られると恥ずかしい」などと思ってしまうようです。

生活環境が整備され、ごみの処理や下水道も行き届くようになり、マチはどんどん”清潔”になってきています。高度成長期以前の日本に満ちていたさまざまな「生活臭」も、次第にマチから消えつつあります。こうした「においのない時代」に生まれ育った若い人たちが”におい”に嫌悪感を抱くのは、当然のことかもしれません。その意味では、「肛門神経症」は現代社会が作り出した病気の1つだといえるでしょう。

いずれにせよ、肛門神経症の治療はほとんどの場合、心療面のコンサルタントが中心になります。肛門科や心療内科、精神科の専門医にご相談ください。ただし、こうした患者様の多くは30歳を過ぎると、自然に症状が治まっています。


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