第5話 紙でふいても シャワー式で清潔に

排便後、お尻をふくのは動物の中で、人間だけです。例えば犬はウンチをした後、お尻をふきません。動物だからといって不潔にしておいていいというわけでなく、お尻をふく必要がないからです。どうしてなのでしょう。犬の場合、直腸の粘膜を外に出したり引っ込めたりして、肛門に糞が付かない「自然脱肛」の状態を自由に作り出す能力を持っています。人間は直立二本足歩行を始めて以来、肛門がお尻に隠れてしまう”運命”を背負ってしまいました。その結果、自然脱肛という芸当ができなくなり、お尻をふく必要性に迫られたわけです。

ところで、お尻をふく物の代表格は何と言っても紙ですが、ある試算によると、一日に使うトイレットペーパーの長さは男性が平均3.5メートル、女性が12.5メートルだそうです。大したことがないと思うかもしれませんが、日本中の男女が一日に使う量となると話は違ってきます。実に地球20周を優に越えてしまうというのだから驚きです。しかし、それだけきれいにふいても紙では限度があるようです。ある専門家が公衆浴場を調べたところ、お湯の中には一つの例外もなく、細かいウンチのかけらが浮いていたといいます。

痔の予防、悪化防止のためには、常に肛門を清潔に保つことを心掛けたいものです。排便後すぐ入浴するのが理想なのですが、トイレのたび、それを実行するとこは無理な話と思います。というわけで登場したのがシャワー式トイレ。最近は価格も安くなり、既存の便器にも簡単に取り付けることができるようになり、大流行しています。これは、手軽にお尻の清潔を保つためにうってつけの装置で、専門医の立場からもお勧めします。


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